仙台高等裁判所 昭和27年(う)300号 判決
原審は法定の貸金業者でない被告人が原判示十数回に亘る金銭の貸付行為を業として行つたものである旨判示し、その法令の適用において右の各行為を貸金業等の取締に関する法律第一八条第一号第五条第三条該当の併合罪であるとして刑法第四五条前段第四七条第四八条等を適用処断していることが明かである。しかし元来貸金業等の取締に関する法律第五条違反の所為は同法にいわゆる貸金業者でない者が金銭の貸付行為を業として行つた場合換言すれば反覆継続の意思を以て金銭の貸付行為を行つた場合に成立するのであるから、仮令その間多数の貸付行為が行はれたとしてもその各個の貸付行為が独立して各別に犯罪を構成するのではなく、之を包括して一の貸金業等の取締に関する法律違反の罪が成立するものと解すべきであり、素より之を併合罪として処断すべき限りではない。